Project Detail

オリジナル小説・挿絵の依頼

Fee

JPY35,000 (Tax Included)

Term

53日

Completed Date

26.Aug.2012

Job Category

イラスト

Client

個人(個人(小説家))Jp

Creator

古川功兵Jp
Currently No Available...
Flow of the project
Medium_001 Medium_002 Medium_003 Medium_004
Proposed rough draft to the original hearing in the case notes, project rooms
Medium_005 Medium_006 Medium_007 Medium_008
Further hearings and deliver data in a specified format
Evaluation
About The Creator
Very satisfied good good good good good
 Last requests as well, this time is fine, fix whats the answer.

And delivered on schedule and we are very satisfied.

Proposals such as the range of submission deadlines, delivery format, rough picture, fix the us taking the lead, so the trade.
 
 Painted hair, big eyes, cute girls. See other works is also commissioned three things above reason.
評価 提案力:5 コミュニケーション力:5 納品物の満足度:5 納期の正確さ:5 対応の早さ:5
About Skillots
Very satisfied good good good good good
 Because you can browse the works of each creator helps you visualize, is safe. I felt, might find the ideal artist from the work group if such tags and painting in more categories, a lot.
Project Detail

Fee

JPY35,000 (Tax Included)

Completed Date

26.Aug.2012

Term

53日

Job Category

イラスト

Required Data

JPEG

Usage of
the Illustration

As the illustrations in the original novel site

Copyright Terms

Copyright belongs to the artist and the Client is permitted to use the Deliverables
Use-by date:not specified
Use for:WEB上

Project Detail

 Once again, your job could ask.

If it is impossible schedule, change is possible.

Thank you illustrations of the characters who finished in the previous request.
 Earlier illustrations look to 'joy', if you think emotions remain "angry sorrow + teacher faces a 'panic' to write in the bust-up.

So much trouble, provided scenes, took the hat off and lower the hair has and also want to illustrate it, Image the most difference is it is 'FATE/ZERO' work 'Ilya'.
 Two story, her expressive appeared.

Also some images should be had up on the net.
 And to this work and another one I wish I. Also in that it depends on the schedule.

Message to
the Creator

下記は小説本文作品


 料理の匂いにアイフェはすぐに目を覚ましていた。
 ミラとマーガスは偵察に出ている。料理を作っているのはロイドである。
 アイフェの帽子は壁掛けに、上着は椅子にかけてある。
 髪はほどいており、白い肩と背中に銀色の髪がなびいていた。

「ねえねえ、何を作っているの?」
「ソラマメのスープだよ」

 アイフェのはしゃいだ声に、低く優しい声がゆっくりと丁寧に答える。

 ロイドは団子鼻で眠たそうな目にのんびりとした声をしている。
 なべをかき回して、料理をしているのがやけに似合っている。

 見るからに人のよさそうな男で、彼を一目見て盗賊の一味だと思うものは無いだろう。
 台所は狭くとも片付いているし、どの道具も丁寧に修理されている。
 着ている服にも丁寧に繕いがされていて、ロイドという男の性格があちこちからにじみ出ている。

「ソラマメって、お空から降ってきたお豆のこと?」
「空に向かってサヤを伸ばすからだよ」

 ロイドの説明に、アイフェは目をキラキラとさせた。

「雲の上まで伸びるの?」
「うーん、それは見たことが無いなあ」

 話をしながらも、料理の手を休めることは無い。
 動きはのんびりとしているが、仕事が遅いわけでもない。
 アイフェの質問に次々と答えているから、頭の回転が鈍いわけでもない。

「カイコの繭の形に似ているから、カイコ豆って呼ばれることもあるよ」
「カイコって何?」
「君が着ている服は絹でできている。それは、カイコが吐いた糸で作ったんだ」

 アイフェは自分の着ている服をまじまじと見つめた。
 上質の絹で織られたワンピースは透き通るほど白く、すべらかな手触りである。

「じゃあ、綺麗な生き物なんだね」
「……うーん。糸はきれいだけど、蝶みたいに綺麗な羽じゃないよ。見たらガッカリするんじゃないかな」
「しないもん」
「そうかな?」
「一目見て、ガッカリするのはとても失礼な事だって、リー姉は言ってたよ。人は見かけで判断したらダメなの」

 少女に説教されて、ロイドは小さな目をぱちくりとさせていたが「そうだね」と、大きくうなずいて料理に戻った。

「アイフェ、カイコは人じゃないぞ」
「それでもなの!」

 シーグの指摘に、アイフェは頬を膨らませた。
 この少女は、自分の言葉が否定されるのを極端に嫌がるのだ。

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「だいたい、シーグってば、一言多いんだよね!」
「え?」

 少女の言葉がグサリと胸に突き刺さり、シーグは矢で負傷した肩の痛みなど吹き飛んだ。

「いつも、いっつも、いーーつも、そうだもん」
「そ、そうなのか?」
「女の子の気持ちをぜんぜん分かってないの!」
「……た、例えば?」

 シーグは胸の痛みに耐えながらも、恐る恐る聞き返す。

「女の子には花の種を送るんじゃなくて、普通は花束を贈るものなんだよ」

 頭から心臓まで、槍で貫かれたような衝撃にシーグはよろめいた。
 言葉にならず、口から空気だけが漏れてゆく。ロイドは料理をする手が止めて、聞き入っている。

「花束を贈るのは、この花が枯れる前にもう一度あなたに会いに来ます。また、プレゼントを贈りますっていう意味があるの」
「だ、だけど……」

 サフィリアと話ができたのは、一年に一度きりだった。リーザを通じて届けるのが精一杯だったから、花束だったらサフィリアの元に届く前に枯れてしまうではないか。

「い、一年に一度話をするだけじゃあ……ダメなのか?」
「マメじゃない男は嫌われるんだよ!」

 リーザにも同じ注意をされた気がする。
 だが、レイザークとメティスでは物理的に不可能だし、サフィリアには魔術師ゆえの掟があった。

「それに、種を送るって事は自分で勝手に育てなさいって意味になるんだよ」
「な……んだって?」

 雷撃の魔術の直撃を受けたような、いやそれ以上の衝撃がシーグの全身を貫いた。
 まさか、そんなルールがあるとは知らなかった。

「だけど、どんな下らない贈り物も喜んで受け取るのが女の子の心得なんだよ」

 人差し指を教鞭のように立てて、アイフェは断言する。
 一方、シーグは壁にもたれかかってぐったりとしていた。
†††††††††††††††††
教師面、指を教鞭のように立てて目を閉じて、賢そうに朗々と解説する。

†††††††††††††††††

「ね、ねえ。アイフェ。じゃ、じゃあ、女性にはどんな贈り物をしたら喜んでもらえるのかな?」

 ロイドはおどおどした様子で聞き返している。

「うん、それはね――」

 アイフェは鼻をクンクンと言わせて、鍋に注目する。
 スープが沸騰して、部屋中にいい匂いを漂わせ始めたからだ。
 
「おいしいものをたくさん食べさせてくれるのが一番だと思うよ」
「……それだけでいいの?」
「料理が上手な男の人って、素敵だと思うもん!」

 アイフェの視線は鍋に釘付けになっていて、腹がグゥーと鳴った。
 口を半開きにして、ヨダレが出そうになっている。

 ロイドは止まっていた手を忙しく動かして、スープを皿に分け始めた。

「お昼ご飯は何かなーー」

 アイフェは鼻歌交じりで、シーグが持ってきたバスケットを開ける。
 当然、中身はサンドイッチであった。出かける前に何度も見ているはずだが、アイフェは輝くような笑みを浮かべている。
 ロイドは大皿を持ってきてサンドイッチと、用意しておいた葉物野菜を几帳面に並べている。
 
「どうしたの、シーグ。」

 つい先ほど、少年の心を粉みじんに砕いた少女は、心配そうに問いかける。

「いや、食欲があんまり……無い」
「食べないと大きくなれないんだよ。心も貧しい人になっちゃう」
「う……む」

 胸の痛みは鈍痛さえも伴うようになっていたが、シーグは食卓についた。

「ロイドってば、いいお嫁さんになれるよ」

 スープを一口味わって、アイフェは幸せそうにほめた。
 ロイドは目をぱちぱちさせている。

「あのなあ、アイフェ……」
「なにかな?」

 トゲのある口調で、睨まれてシーグは黙り込んだ。
 アイフェの目つきが尖っていて、どんどんと細くなってゆく。
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「……なんでもない」
「ありがとう、アイフェ。うれしいよ」

 小さな目のコックが感謝すると、アイフェも笑顔になってスープをスプーンで器用にすくい上げている。

「ロイドがコックさんになってお店を開いたら、私は毎日通ってもいいよ」

 払うべきお金も持っていない少女は断言した。
 ロイドはニコニコと微笑んでいる。
 言葉のやり取りを見ながら、なるほど、とシーグは思った。

 細かいところなど気にせずに、なんとなく意味が通じていれば、それでいいのだ。
 ロイドが笑顔でいると、アイフェも笑顔になるし、きつい言葉をださなくなるのだ。

 女の子が目を三角にしているときには、口答えをしないほうがいい。
 目が糸のように細くなれば、危険信号なのだ。理由はどうでもいいので、とにかく謝るのが正解だ。

 言葉で戦っても勝ち目など無いし、勝ったところで余計に気まずくなるだけだ。
 シーグは、刺すような胸の痛みと引き換えに一つの教訓を学んだ。

「雲マメのほかに、何が入っているの?」

 決して細かいとはいえない間違いにも、シーグはとりあえず黙っておくことにした。

「にんじんと、キャベツと……どうしたの、アイフェ?」

 アイフェの顔色が見る見るうちに真っ青になってゆく。

「にん……じん、入ってるの?」
「うん」
「だけど、赤くないよ?」

 煮込んでスープにしたので、原型を留めいないだけだ。
 小指の爪ほどに薄く小さく切ってあるから、入念にスープを取らない限り赤くは見えないだろう。
 胸元を押さえて、頬をふくらませる。この仕草が示すものは一つしかない。

「雲みたいなマメに乗ってどこかに飛んで行ったぞ」

 アイフェの頬のふくらみが、ぴたりと止まった。

「煮込んだときに出る、ゆらゆらの湯気に乗って、飛んでいったんだ。羽が生えていた気がする」
「本当に?」

 風船の空気が抜けるように、顔が元に戻った。

「本当だ。はっきりと、この目で見たぞ。あれはニンジンとマメだった、間違いない」
「ロイドも見たの?」

 アイフェは疑わしげに、ロイドに注目した。
 少女に正面から見据えられて、目をパチパチさせながら空を泳がせ、最後にはシーグにたどり着く。
 うむを言わせずに、強くうなずくとロイドは顔を真っ赤にしながらアイフェと見詰め合った。

「そ、そ、そうだよ」

 大きくうなずくが、顔はもちろん首筋まで真っ赤になっている。
 ロイドの言う男は、嘘をつくのがとことん苦手な男のようだ。

「そっかー」

 アイフェの機嫌はすっかり直って、再びスプーンを器用に使い始める。 

「キャベツもずいぶんと柔らかいんだね」
「しっかり、煮込んであるからな。たぶん、芯も抜いているんだ」

 アイフェが今食べているのが、まさしくそのニンジンであった。
 ニンジン以上に顔を赤くし、自身が煮られているかのように汗を浮かべているのはロイドであった。
 正直を絵に描いたような男に、盗賊という仕事は苦痛ではないのだろうか。

「そういえば、アイフェ。いつから、そんなに器用にスプーンを使えるようになったんだ?」

 言っているそばから、シーグはスープをひとしずく机に落としてしまった。
 アイフェの皿の周りには、こぼした後が一切無い。3日前には机中に散らかしていたのに。
 ミラを思わせるような優雅な仕草で食事を続けているではないか。

「アイフェちゃんは、日々進化し続けているからなんだよ」
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教師面、指を教鞭のように立てて目を閉じて、賢そうに朗々と解説する。

†††††††††††††††††


「……なるほど」

 説明になっていない説明にも、シーグはいい加減にうなずいておく。
 
 最初に会ったときは会話もままならなかった。
 夢の中でも最初は舌足らずだったが、急に饒舌になったし、3日前のヴァンガードの時はサフィリア顔負けの速さで呪文を詠唱したという。
 
 さっきの戦いでも、状況判断も働きも自分以上だった。
 ミラを思わせるようなしなやかさで、帽子を投げていたではない。
 アイフェが魔術を使うときに、身体能力まで飛躍的に高まるのだ。

 それに、らしくない口調で自分のことを何といっていたか……。

「メロなんとか、って知っているか?」
「そうだね、デザートはメロンがいいな。アイフェの大好物だよ」
 
 少女は目をキラキラさせて、ロイドを見つめている。

「じゃなくて、我が名はナントカカントカって言ってたじゃないか。……ロイド、別に市場に出かけなくていいから、座っていてくれ」

 人のいい男は、やけにすばやい動きで、財布とカゴを身につけていた。
 視線はすでに市場に向かっている。

「メロンに知り合いはいないよ。出会ったら、すぐにお別れのときだもん。出会いは偶然でも、別れは必然なんだ。だから、出会いはたくさんあったほうがいいし、とても大切にするべきだと思うよ」

 ロイドは何度もうなずきながら、腰を浮かした。ので、シーグは肩をつかんで無理やり座らせた。
 これでは人がいいのではなく、単なる考えなしだ。
 だいたい、今は追跡を恐れて隠れているときではなかったのか、わざわざ目立ってどうする。
 
「あんたは、メロンを買いに行かないでいい。というか、行くな。じっとしていてくれ」

 きつい口調で言ったが、ロイドは空虚な瞳で市場の方角を眺めている。
 シーグの言葉などまったく聞こえていないようだ。


 思考や感情が失われたこの瞳には見覚えがある。
 3日前のヴァンガードだ。
 精神を封印されたサフィリアが、同じ瞳をしていたではないか。

 直感の赴くまま、シーグはシャープネスに手を伸ばし、鞘をロイドを肩に押し付けた。
 すると、魔術に特有の青白い火花が散った。
 空虚だった小さな目に、感情の光が戻る。

「あれ?」

 ロイドは間の抜けた声で、周りを見回している。

 魔術だ。
 しかも、心を操る魔術。
 他人を思いのままに、操り人形のように扱う魔術である。

『レイザークのシージペリラス。この聖地であなたの首を落とし、世界の破滅を食い止めます』
 
 ヴァンガードのとき、サフィリアは心を操られていただけだ。本心から言ったわけではない。
 そう理屈では分かっていても、思い出すだけで心が張り裂けそうになる。
 人の心を好き勝手に操ろうとする考えに、シーグは嫌悪感をおぼえた。

「アイフェ!」

 感情の赴くままに、シーグは声を荒げる。アイフェはびくりと全身を震わせて、縮こまった。
 スープを入れた皿が床に落ちて、カラカラと乾いた音を立てる。

「な、何もしてないもん!」

 問い詰める前から言い訳を始める。
 子供っぽい態度が、シーグの怒りに火をつけた。
†††††††††††††††††
あわてる
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「魔術を使ったな」
「…………違うよ」

 小さく吐きすてた後、上目遣いのまま、微妙に目をそらす。逃げ腰になって、黙り込んでいる。
 全身で嘘をついているといっているようなものだ。

「魔術で人の心を操った。そうだな?」
「…………」

 少女は目に涙を浮かべて、泣きべそをかき始める。
 罪悪感があるのに、自分が間違っていたと気づいているのに、逃げを決め込むのは卑怯だ。

「アイフェ!」

 部屋中に轟く怒鳴り声に、ロイドも身をすくめるほどだった。
 驚きで顔を上げたアイフェは、きつい視線でシーグを睨みつけた。その後に、顔中をぐしゃぐしゃにして、大粒の涙をこぼす。

「シーグのバカー!」
†††††††††††††††††

†††††††††††††††††

 甲高い声と共に、金属をこすり合わせたような音が耳に刺さる。
 体中が押しつぶされそうな圧力を感じ、机は木っ端微塵に砕けた。
 バリバリと音を立てて、壁と天井が裂けてゆく。家全体が歪んいるのだ。
 とっさに、体の前に立てているシャープネスは、青白い火花を発し続けている。
 シャープネスを盾としたシーグの後方だけが、空間そのものがねじれてゆく様な現象から無縁であった。

 バチュン!

 と、焼け焦げた巨大な鉄板に、大量の水をまいた様な音が鳴って不可解な現象は終わりをつげた。
 アイフェは消えうせており、座っていた椅子と机が球形にえぐれ、床はすり鉢状にえぐれていた。
 少女を中心にして、球形にすべてのものがえぐり取られたのだ

 隠れ家は、巨大な朽木という状態になっていた。
 たんなる例えではない。壁も屋根も紙のように薄くなっていて、触れれば灰のように崩れてしまう。

 スープは消滅して、ひび割れた皿に黒い塊がこびりついている。スプーンは風雨にさらされたかのようにさび付いて朽ちている。
 まるで、周囲だけが急に何十年も経過したようである。

 シーグの後方にあったロイドの台所と調理道具だけが無事であった。

「おい、大丈夫か?」

 壁が穴だらけになっていたので、家の残骸の中からでもミラとマーガスの姿が見えた。
 走りよってきたミラは扉を開けるが、壁ごと倒壊してしまった。

「こいつぁ。……すげえな」

 マーガスは軽口を叩いたが、表情は硬く、額には冷や汗が浮かんでいる。
 ロイドも同じであった。この怪現象の中で五体満足であることが不思議であるらしく、言葉を失っている。

「……アイフェね?」

 ただ一人、ミラだけは周囲を丹念に調べて結論を出した。
 球状にえぐれた床をじっと見つめている。

「泣き叫んだ後に、魔術で姿を消した。どこに行ったか分からないんだ。探す方法はないか?」

 シーグが聞くと、ミラとマーガスは驚きの表情を浮かべた。

「探すっていうけど、あんた。当てでもあるのか。相手は魔術師だぞ」
「魔術って言うのは、つまりは力だ。近ければ強く、遠ければ弱まる。集中するほどに効果は高まり、散漫であれば効果は低い。溜めれば増えるが、使うほどに減ってゆく有限なものだ。アイフェは集中していなかったし、消える前に力を使った。だから、そう遠くへは行っていないはずだ」
「そうはいっても魔術師だぞ。俺たちの常識が通じるかどうか」
「だったら諦めるしかない。だが、近くにいる可能性もある。見つからなければ、見つけるための方法を探す。魔術に詳しい人を探すのもいい、魔術師に協力してもらえば見つかる可能性は高くなる」

 シーグが立て続けに提案するるが、マーガスは渋っている。
 馴れ馴れしいとさえ言える、饒舌な男の態度にしてはおかしい。

「……どうして、何があったの?」

 ミラが言葉に詰まりながらも聞いてくる。

「俺の責任だ。アイフェにきついことを言ったから」
「そうじゃなくて、どんな魔術をつかったらこんな事になるの。まるで廃墟じゃない」
「分からない。ミラ、今はそんな詮索よりもアイフェを探すのを手伝ってほしい。嫌な予感がするんだ」
「嫌な予感って、これ以上の何かが起こるっていうわけ?」
「……ミラ?」

 いつもとは違う声色にシーグは首をかしげた。
 怒っているわけではないのに、声を荒げている。快活な少女がこんなに暗い声を出すのを始めて聞いた。
 背中を向けて隠れ家の惨状を調べているので、表情まで分からない。
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