作品の中に存在する人物と、窓との関係をとても慎重にトリミングする構図は、イラストレーションの中にエンターテイメントかつ、現代アートに近いレイアウトを魅力として、多くの人々の脳裏に焼き付けている。その力強いラインはデジタルでしか表現できない真の美しさであり、表情の歪まない人物達は、感情を観覧者に委ねている。velonycaの作る作品はどれも、マゼンダ、シアン、イエロー、ライムにモノクロのみを使用し、例え暗がりであってもどの瞳にも飛び込んでくるキャッチーでポップなイラストばかりである。また、ファッション性や、音楽性を秘めた作品作りを心がけ、アートやデザインなど、本来イラストレーションが在るフィールドとは違うカルチャーともリンクを続けている。velonyca本人は(作品を制作するにあたって)何よりも本人が楽しむこと、楽しい場所に作品があって、それが違和感でないこと。オーディエンスと、作品の中の人物が一体化することを目標とし、ギャラリーのココロまで作品と一緒にポップにしてしまいたいと考えている。今後はイラストレーションのみではなく、デザインや、グラフィックはもとい、写真や映像、インスタレーションのディレクションにまで制作の幅を広げて行く予定。 現在はカルチャーレーベルにも所属し、活動的にクリエイションの幅を広めている。茨城県出身であるベロニカは、2005年に自身によるモバイルサイトを開設し、イラストを制作し続けている。文化デザイナー学院へ在学中は紙媒体のデザインを勉強しつつも、展示という強制的ではない交流性に魅力を感じ、作品の露出を続けてきた。当時流行ったデコメールの素材や、ダンスの衣装制作、インディーズバンドのアートワークなどを手がける。2008年に上京後も、様々なアートに触れつつ、より一層制作活動を続けている。また、女性(ガールズ)をモチーフとしてイラストを制作する作家を集めた展覧会、Girls IllustExhibitionを企画しThe Artcomplex Center of Tokyo(Tokyo,新宿)にて開催、シリーズ化を実現。2009年6月に1周年を迎えた。また、ライブペイントを参加イベントにて開催し、パフォーマーとしても活躍中である。